妊婦さんの予防接種の要点
いまの時期のインフルエンザ:妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいため、妊娠のどの時期でも接種が推奨されています。注射のワクチンを、接種期間中は予約なしで接種できます。くわしく見る
- 妊娠中に受けられるワクチン:RSウイルス母子免疫(アブリスボ・妊娠28週〜36週6日は渋谷区の定期接種で無料)・百日せき(三種混合)・インフルエンザ(注射)・新型コロナ。
- 妊娠中は受けられないワクチン(生ワクチン):麻しん・風しん(MR)・水痘・おたふくかぜ。妊娠を希望される方は妊娠前に済ませておくことが大切です。麻しん・風しんについては、条件を満たす方に渋谷区の無料の抗体検査と接種費用の助成があります。
- 予防接種は事前の電話予約制です(03-3499-6223)。ただしインフルエンザ・新型コロナワクチンは、接種期間中は予約なしでも接種いただけます。
妊娠中に接種できる・推奨されるワクチン
妊娠中に接種が推奨または考慮されるワクチンは、いずれも生ワクチンではありません。日本小児科学会・日本産婦人科医会が、妊婦への接種の有用性を示しています。接種の時期やスケジュールは診察でご相談ください。
RSウイルス母子免疫ワクチン(アブリスボ)
無料(定期接種) 妊娠28週〜36週6日に1回
- どんなワクチンか
- 生まれてくる赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るために、妊娠中のお母さまに接種するワクチンです。お母さまの体内でつくられた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんへ移り、生後6か月ごろまでの赤ちゃんを守ると考えられています。接種は1回です。
- 定期接種
- 2026年4月1日から定期接種になりました。渋谷区にお住まいで妊娠28週から36週6日の方は、費用はかかりません。
- 予診票
- 接種には渋谷区が発行する予診票が必要です。2026年4月1日以降に妊娠届を出された方は「母と子の保健バッグ」に同封されています。お手元にない場合は、区へ再発行を申請できます(電子申請または区役所の窓口)。
- 持ち物
- 当日は予診票・本人確認書類・母子健康手帳をお持ちください。
妊娠高血圧症候群を発症するリスクが高いと医師が判断した場合は、慎重な検討が必要です。かかりつけの産科の先生とご相談ください。また、接種から14日以内に赤ちゃんが生まれた場合の効果は、まだ確認されていません。
百日せきワクチン(三種混合・トリビック)
自費 妊娠27〜36週(できれば前半)
- どんなワクチンか
- 百日せきは、生後間もない赤ちゃんがかかると重症化しやすい感染症です。妊娠中にお母さまが接種することで抗体が赤ちゃんへ移り、生まれて間もない時期の百日せきから赤ちゃんを守ることが期待されます。
- ワクチン
- 当院では、国内で販売されている三種混合ワクチン(トリビック®)を接種できます。
- 時期
- 日本産婦人科医会は、妊娠27週から36週の間(できればその前半)の接種を、十分な説明と同意のもとで検討するとしています。抗体は1年ほどで低下するため、妊娠のたびに接種します。
- 費用
- 任意接種(自費)です。料金はワクチン・予防接種 料金表をご覧ください。
国内の添付文書では、妊娠中の接種は有益性が危険性を上回ると判断される場合に限るとされています。ご希望の方は診察でご相談ください。
百日せきを含むワクチンと同時に接種すると、百日せきへの免疫のつき方が弱まったという海外の報告があります。RSウイルスワクチンも接種する場合は、接種間隔を含めてスケジュールをご相談ください。
インフルエンザワクチン
自費 妊娠のどの時期でも
- どんなワクチンか
- 妊娠中はインフルエンザが重症化しやすいため、妊娠のどの時期でも接種が推奨されています。お母さまの重症化を防ぐとともに、生まれて間もない赤ちゃんの発症予防にもつながります。
- ワクチン
- 妊娠中は注射のワクチンで接種します(鼻スプレーのフルミストは、妊娠中は接種できません)。
- 費用・予約
- 料金はインフルエンザワクチンのご案内をご覧ください。接種期間中は予約なしでも接種いただけます。
新型コロナワクチン
自費 妊娠のどの時期でも
- こんな方に
- 新型コロナワクチンは、妊娠のどの時期でも接種できます。日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会の見解(2025年7月)では、すべての妊婦の方への一律の接種は推奨されていませんが、糖尿病・高血圧・呼吸器の病気など、重症化リスクとなる基礎疾患のある方には接種が推奨されています。母子免疫(赤ちゃんへの抗体の移行)の効果を期待して、接種を希望される方も接種できます。接種するかどうかは診察でご相談ください。
- 費用・予約
- 料金は新型コロナワクチンのご案内をご覧ください。接種期間中は予約なしでも接種いただけます。
妊娠中に接種できないワクチン(生ワクチン)
麻しん・風しん(MR)・水痘・おたふくかぜなどの生ワクチンは、妊娠中は接種できません。妊娠を希望される方は、妊娠前に済ませておくことが大切です。麻しん・風しん(MR)・水痘ワクチンは、接種後約2か月間は妊娠を避ける必要があります。
風しん・麻しん(妊娠を希望される方へ)
条件により無料 妊娠前に(まず抗体検査)
- こんな方に
- 妊娠を希望される方で、かかったことがなく、2回の接種歴がはっきりしない場合は、妊娠前の抗体検査とワクチン接種をおすすめします。
- 費用・渋谷区の助成
- 渋谷区では、渋谷区に住民登録がある19歳以上の方で、妊娠を予定・希望している女性、その同居者、妊婦の同居者に、風しん・麻しん抗体検査を無料で実施しています(各1回・受診券は不要です)。検査で抗体価が低いと分かった場合には、MRワクチンまたは風しんワクチン(いずれか1回)の接種費用が全額助成されます(麻しんの抗体価が低い場合はMRワクチン)。無料の抗体検査には、過去の抗体検査歴・接種歴・確定診断された既往による対象外の条件があります。風しん・麻しんの片方だけに当てはまる場合は、もう一方だけ検査できることがあります。接種費用の助成にも、接種歴や過去の制度の利用歴などの条件がありますので、くわしくはお問い合わせください。検査・接種とも区内の指定医療機関が条件で、当院でも受けられます。
- ご家族
- 妊婦ご本人は妊娠中は接種できませんが、妊婦と同居するご家族への接種は可能です。
どんな病気か
妊娠初期に風しんにかかると、赤ちゃんに先天性風しん症候群(白内障・難聴・心臓の病気など)が起こるおそれがあります。妊娠中に麻しんにかかると、流産や早産のおそれがあり、生まれて間もない赤ちゃんがかかると重症化しやすくなります。
水痘(みずぼうそう)・おたふくかぜ
自費 妊娠前に
- こんな方に
- かかったことがない方・接種歴がはっきりしない方は、妊娠前の抗体検査・接種をご検討ください。
- 費用
- 自費です。料金はワクチン・予防接種 料金表をご覧ください。
どんな病気か
妊娠中に水痘にかかると、お母さまが重症化しやすく、赤ちゃんへの影響も心配されます。おたふくかぜも、おとなの感染は重症化しやすい感染症です。
妊娠中の予防接種について
妊娠中のワクチン接種には、お母さま自身の重症化を防ぐことに加えて、お母さまの体内でつくられた抗体が胎盤を通じて赤ちゃんへ移り、生まれて間もない時期の赤ちゃんを感染症から守るという役割があります。
妊娠中に接種できるワクチンと、妊娠前に済ませておきたいワクチンをご案内します。
予防接種をお受けになる方へ
予約について
予防接種は事前の電話予約制です。
ただしインフルエンザ・新型コロナワクチンは、接種期間中は予約なしでも接種いただけます。
当日お持ちいただくもの
以下のものをご持参ください
・渋谷区の予診票(RSウイルス母子免疫ワクチンの場合)
・抗体価が低いことがわかる書類(助成を使うMR・風しんワクチンの場合。区の抗体検査を受けた方は「予防接種案内書」)
・母子健康手帳
・マイナンバーカードまたは資格確認書(ご本人確認)
マスクの着用について
院内ではマスクの着用をお願いしております。
お持ちでない場合は、受付にて1枚30円で販売しております。
接種前日の準備と当日の注意点
前日は十分な睡眠をとり、激しい運動は避けてください。
発熱や体調不良がある場合は、事前にご相談ください。当日の診察で接種できるかを判断します。
接種当日は清潔な服装でお越しください。肩を出しやすい服がおすすめです。
接種後の注意点
接種部位の強いこすり洗いは避けてください。入浴は可能です。
激しい運動は当日は控えてください。
接種した部位の腫れ・赤み・痛みや発熱は、多くは2〜3日で自然に治まります。症状が強い場合や長引く場合はご相談ください。
院内で息苦しさや気分の悪さが出たときは、すぐにスタッフへお知らせください。帰宅後に、急な息苦しさ、のどの締め付け、舌やのどの腫れ、意識がぼんやりするなどの症状が出たときは、直ちに119番に連絡してください。唇の腫れや全身のじんましんなど、そのほかの異常が出たときも、速やかに医療機関にご相談ください。
