電話受付は診療時間内03-3499-6223
WEB予約

禁煙外来

執筆:斎藤史武 公開日:2025-06-05 最終更新日:2026-08-17

「今度こそやめたい」「自力で挑戦したけれど続かなかった」——そう感じている方にとって、禁煙外来は心強い味方になります。タバコをやめられないのは意志の弱さではなく、ニコチンによる依存という医学的な状態が背景にあります。だからこそ、医師が処方するお薬と短い面談を組み合わせた標準的なプログラムで、無理なく取り組んでいけます。

なみきばしクリニックの禁煙外来は、健康保険が使える12週間・全5回の標準プログラムです。バレニクリン(チャンピックス)とニコチンパッチのどちらにも対応していて、生活背景に合わせて選べます。「まず話だけ聞いてみたい」という方もご相談ください。ご予約はWeb予約から24時間いつでもお取りいただけます。

禁煙外来とはどんな治療ですか?

禁煙外来は、ニコチン依存症を「病気」として扱い、保険診療で治療する外来です。日本では2006年から健康保険が適用されていて、お薬による治療と短時間の面談を組み合わせた、12週間で5回受診する標準プログラムとして整っています。

自力での禁煙にくらべて、お薬と面談でのサポートを併用したほうが成功率が高くなることが、いくつもの研究で分かっています。「やめる気持ちはあるのに続かない」のは、ニコチンが脳の報酬系(快感に関わる仕組み)に作用して依存をつくっているためです。補助薬で離脱症状(吸えないときのつらさ)をやわらげると、生活の見直しが続けやすくなります。

日本国内のデータでは、12週間の標準プログラムを最後まで終えた患者さんで、治療終了から9か月後の禁煙率はおよそ47%と報告されています。ただしこの数値は、5回の受診を最後まで終えた方を対象に、ご本人の申告をもとに集計したものです。途中で通院をやめた方を含めた数字ではないため、実際の成功しやすさには個人差があります。

タバコによる健康への影響はタバコによる健康被害、依存の仕組みそのものはニコチン依存症で詳しくご説明しています。

保険診療を受けられるのはどんな方ですか?

保険適用で禁煙外来を受診するには、次の3つの条件をすべて満たし、そのうえで医師がニコチン依存症の管理が必要と認めることが必要です。

  1. TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)が5点以上で、ニコチン依存症と診断されること
  2. 35歳以上の方は、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数 × 喫煙年数)が200以上であること
  3. すぐに禁煙したいと希望していて、「禁煙治療のための標準手順書」に沿った治療について説明を受け、文書で同意していること

35歳未満の方には、ブリンクマン指数の要件はありません。喫煙年数が短くても対象になる場合がありますので、「本数も年数も少ないから対象外だろう」と思われている方も一度ご相談ください。ブリンクマン指数は、たとえば「1日20本を10年間」なら200になります。

TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)

TDSは10項目の短い質問票です。「はい」を1点、「いいえ」を0点として合計し、5点以上でニコチン依存症と判定します。初診のときに問診票へ記入していただくだけで、事前のご準備は要りません。

TDS(ニコチン依存症スクリーニングテスト)の10項目

自己採点の結果はあくまで目安で、最終的な対象判定は診察のなかで行います。点数がボーダーラインの方、判断に迷う方も、外来で採点と判定までできますのでご相談ください。文書での同意も初診のときに院内で行います。

過去に禁煙外来を受けたことがある方も、前回はじめて保険で算定した日から1年を超えていれば、あらためて保険診療で受けられます。前回いつ頃受診されたかを初診のときにお知らせください。こちらでも確認します。

どんなお薬を使いますか?

日本の保険診療で処方できる禁煙補助薬は、バレニクリン(商品名:チャンピックス)ニコチンパッチ の2種類です。どちらも標準的なお薬で、体質・生活背景・これまでの病歴に応じて選びます。

項目

バレニクリン(チャンピックス)

ニコチンパッチ

種類

内服薬(飲み薬)

貼付薬(皮膚に貼る)

作用

脳のニコチン受容体に部分的に作用し、離脱症状と「吸いたい気持ち」の両方をおさえる

体内にニコチンを少しずつ補い、離脱症状をやわらげる

使用期間

12週間

8週間(少しずつ減らす)

主な副作用

悪心(吐き気・約3割)、不眠、いつもと違う夢、便秘

貼った部分の皮膚刺激・かゆみ、不眠、はっきりした夢

向いている方

飲み薬で集中的に取り組みたい方、過去にパッチで皮膚トラブルが出た方

飲み薬が苦手な方、吐き気が心配な方

使えない場合・慎重に判断する場合

けいれんを起こしたことがある方、腎機能が低下している方、精神疾患で治療中の方(診察で可否と量を判断します)

妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方、急性期の心筋梗塞・重い不整脈・不安定狭心症のある方は使用できません。皮膚に湿疹などがあるときは、貼る場所に注意が必要です

表の下段には、使用できない場合と、診察で慎重に判断する場合の両方を挙げています。ニコチンパッチは、妊娠中・妊娠の可能性のある方・授乳中の方、急性期の心筋梗塞・重い不整脈・不安定狭心症のある方には使用できません。バレニクリンについては、けいれんの既往・腎機能・精神疾患の治療歴などをふまえ、病歴と併用薬を確認したうえで医師が使用の可否と量を判断します。精神疾患で治療中の方は、主治医の先生と相談しながら進めます。

また、禁煙するとタバコの成分による薬の代謝への影響がなくなるため、テオフィリン・ワルファリン・インスリンなど一部のお薬では、効き方や必要な量が変わることがあります。服用中のお薬は受診の際にお知らせください。

バレニクリンはニコチンを含まない飲み薬で、研究では、お薬なしの場合とくらべて6か月以上の禁煙率を2倍以上に高めたと報告されています。いちばん多い副作用は吐き気ですが、食後にコップ1杯の水と一緒に飲むことで軽くなる方が多く、必要なら量の調整も考えます。ニコチンパッチで多いのは貼った部分の皮膚刺激で、軽いものなら貼る位置を毎日変える・保湿するといった工夫で対応できます。

どちらが「強い」というよりも、生活パターンや体質との相性で選ぶイメージです。初診のときに一緒に決めていきますので、希望や心配なことは遠慮なくお話しください。

通院スケジュールと費用は?

保険診療の禁煙外来は、初診を含めて12週間で5回の受診で進めていきます。

回数

受診タイミング

主な内容

1回目

初診

問診・TDS判定・薬剤選択・呼気一酸化炭素濃度測定・処方

2回目

2週間後

経過確認・副作用チェック・継続処方

3回目

4週間後

離脱症状への対応・面談・継続処方

4回目

8週間後

中盤の振り返り・また吸いたくなる場面の整理

5回目

12週間後

仕上げ・卒業後の再発予防の確認

各回の診察そのものは短時間ですが、受診の間隔が空く時期に離脱症状が出やすいので、ご希望に応じて途中受診を増やすこともできます。

途中で禁煙がうまくいかず喫煙を続けてしまっている場合も、外来には来ていただきたいと考えています。禁煙できたからと通院を中断してしまう方がいらっしゃいますが、最後まで通院したほうがその後の禁煙成功率が高いことが分かっています。

費用の目安(3割負担の場合)は、12週間の総額でおおよそ次のとおりです。

初診料・再診料・処方料・薬剤費を合計した概算です(2026年8月現在)。自己負担割合・処方量・診療内容によって変わりますので、正確な金額は初診のときにお伝えします。

診察では何をしますか?

初診では、まず喫煙の状況をうかがい、保険診療の対象になるかを確認します。あわせて呼気一酸化炭素濃度を測定します。一般に喫煙量が多いほど高くなる傾向があり、本数が減れば下がるため、経過を客観的に追える指標になります。ただし最後に吸ってからの時間や周囲の環境にも左右され、加熱式タバコだけを使っている方では高い値にならないこともあります。これは受診のたびに毎回測定します。

お薬の処方と一緒に、短時間の面談(行動カウンセリング)も行います。外来で扱うのは、たとえばこんな内容です。

毎回5〜10分ほどで「今いちばん困っていること」を一緒に整理することを大切にしています。挫折した経験のある方ほど、振り返りから次の作戦が見えてきます。

当院の禁煙外来について

よくあるご質問

Q1. 費用は結局いくらかかりますか?
3割負担の方で、12週間の総額はバレニクリンで約13,000〜18,000円、ニコチンパッチで約9,000〜13,000円が目安です(2026年8月現在)。自己負担割合や処方量によって変わりますので、初診のときに見通しをお伝えします。

Q2. これまで何度も失敗していますが、また受診してよいですか?
はい。むしろ挫折した経験があるほど、外来でのサポートが意味を持ちます。うまくいかなかった原因の多くは「離脱症状の山を1人で乗り越えようとした」「また吸いたくなるきっかけを整理しないままだった」ことにあり、外来で具体的に対策できます。なお保険で受けられるのは前回はじめて算定した日から1年を超えてからですので、過去の受診時期をお知らせください。

Q3. 禁煙すると太るのが心配です
禁煙後の体重増加は、研究では平均で数kg程度と報告されています。離脱の直後は食欲が一時的に強まることがあります。食事や運動を見直すことで体重の管理をお手伝いできますが、増え方には個人差があります。体重が気になるときも、禁煙を中断せずにご相談ください。体重が増えた場合でも、禁煙によって心血管の病気のリスクが下がる利点のほうが大きいと考えられています。

Q4. 副作用が不安です。途中でやめても大丈夫ですか?
バレニクリンの主な副作用は吐き気、ニコチンパッチは皮膚のかゆみです。多くは軽いものですが、程度には個人差があります。バレニクリンを服用中に、気分の落ち込み・不安・いらだち・ふだんと違う行動や考えの変化があらわれた場合は、服用を中止して、すぐに当院へご連絡ください。吐き気や皮膚のかゆみなど、そのほかの副作用でつらいときも、次の受診を待たずにご相談ください。お薬の変更・減量・中止を含めて対応を考えます。

バレニクリンの服用中は、めまい・眠気・意識の変化があらわれることがあり、自動車事故に至った報告もあります。服用中は自動車の運転や、危険をともなう機械の操作は行わないでください。

また、ニコチンパッチを貼っている間に喫煙してしまい、吐き気・めまい・動悸などの症状が出た場合は、受診してください。

Q5. バレニクリンとニコチンパッチ、どちらを選べば良いですか?
研究の上ではバレニクリンのほうが禁煙率がやや高いとされます。けいれんを起こしたことがある方や腎機能に不安がある方は、どちらのお薬でも注意が必要なため、一律にどちらかを選ぶのではなく、状態と併用薬を確認して個別に判断します。初診のときに体質・病歴・生活パターンをうかがったうえで、具体的にご提案します。

Q6. 加熱式タバコに替えているのですが、対象になりますか?
加熱式タバコを使っている方も、2020年度から禁煙治療の保険適用の対象に含まれています。紙巻きタバコとの併用が続いている方も少なくありません。詳しくは加熱式タバコもご覧ください。

禁煙をお考えの方へ

次のような方は、一度ご相談いただくのがおすすめです。

禁煙については、ご本人にその意志がないとうまくいかないことが多いので、まずは関心を持っていただくことが大切だと考えています。何かをきっかけに禁煙のことを少しでも考えることがあったら、禁煙外来の存在を思い出してください。

外来を受診されるみなさんには、早い段階で必ず喫煙についてうかがいます。喫煙をされている方には、喫煙の害についてひと通りご説明して、考えるきっかけにしていただきたいと思っているためです。説明をしっかり理解したうえで、それでも喫煙を続けるのはご本人の自由です。ただ、人は変わるもので、少し時間が経つと禁煙する気持ちになっているかもしれない——そう思いながら、お声をかけています。

「まず話だけ聞いてみたい」「自分が保険診療の対象になるか確認したい」という段階でも構いません。渋谷駅 C1 出口から徒歩7分、並木橋交差点から徒歩1分のなみきばしクリニックで、呼吸器を専門とする斎藤医師がご相談に対応します。ご予約はWeb予約から24時間いつでもお取りいただけます。


参考文献

ご予約はこちらから

WEB予約は24時間受付。当日のご予約もできます。

WEB予約 電話 診療時間 アクセス