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乾癬

執筆:斎藤史武 監修:高杉亜里紗 公開日:2026-08-23

肘や膝、頭皮に、赤く盛り上がってポロポロと白いかさぶたのようなものが付く発疹が、治ってはまた出てくる──乾癬(かんせん)は、慢性に経過する皮膚の病気です。「かんせん」という読みから「感染(うつる病気)」と誤解されやすく、見た目の症状とあわせて、患者さんを二重に悩ませる病気でもあります。

このページでは、なみきばしクリニックの皮膚科担当医(日本皮膚科学会 皮膚科専門医)が、乾癬の症状と原因、大きく進歩している治療についてご説明します。ご相談はWeb予約からどうぞ。

Q. 乾癬とはどんな病気ですか?

皮膚が赤く盛り上がり、表面に白いフケのようなもの(鱗屑:りんせつ)が付いてポロポロとはがれ落ちる、慢性の皮膚の病気です。

肘・膝・頭皮・背中・お尻など、こすれやすい場所によくできます。爪に小さなくぼみや変形が出ることもあります。かゆみは、ある方とない方がいます。

日本では人口のおよそ0.1〜0.3%にみられると推定され、決してまれな病気ではありません。頭皮だけに症状が出るタイプでは、長年「ひどいフケ症だ」と思ってシャンプーを替え続けていた、という方も外来では珍しくありません。慢性化した湿疹とも見た目が似ているため、自己判断で見分けるのは難しい病気です。

皮疹は良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長く付き合っていくことになる病気ですが、後で述べるように治療の選択肢はこの10年余りで大きく広がりました。

Q. 乾癬は人にうつりますか?

うつりません。乾癬は感染症ではなく、免疫の働きの乱れによる病気です。

「かんせん」という音の響きから誤解されがちですが、触れても、温泉やプールで一緒になっても、うつることはありません。この誤解のために人目を気にして、温泉やジムを避けている患者さんも少なくありません。周囲の方にも正しく知っていただきたい、大切なポイントです。

Q. 乾癬の原因は何ですか?

体質(遺伝的な背景)に、環境の要因が重なって、免疫の働きが乱れ、皮膚の新陳代謝が速くなりすぎることで起こります。

通常、皮膚の細胞は約1ヶ月かけて生まれ変わりますが、乾癬の皮膚ではこのサイクルが極端に短くなり、未熟な細胞が積み上がって、盛り上がりと鱗屑を作ります。

悪化のきっかけとしては、風邪などの感染症、皮膚のこすれや傷、ストレス、気候、食生活の乱れ、喫煙・飲酒などが挙げられます。また、肥満や糖尿病などの生活習慣病との関連も指摘されており、皮膚にとどまらず全身の健康と関わる病気と考えられています。

Q. 治療はどのように行いますか?

治療は段階的に選びます。基本は塗り薬で、効果が不十分な場合には紫外線療法、飲み薬、生物学的製剤という選択肢があります。

「塗り薬だけで諦めていた」時代から、治療は大きく進歩しています。皮疹の範囲や生活への影響に応じて、今の状態に合った治療を一緒に考えていきましょう。

Q. 日常生活で気をつけることはありますか?

皮膚への刺激(こすれ・掻き壊し)を減らすことと、悪化要因になる生活習慣を整えることが役立ちます。

Q. すぐに受診したほうがよい症状はありますか?

「全身が真っ赤になる」「発熱とともに膿のツブツブが多発する」「関節が痛む・腫れる」場合は、特殊なタイプの乾癬の可能性があり、速やかな受診が必要です。

乾癬にはまれに、全身の皮膚が赤くなる紅皮症(こうひしょう)、発熱を伴って膿疱(のうほう)が多発するタイプ、関節の痛みや変形を伴うタイプがあります。これらは入院や専門的な治療が必要になることがあるため、当てはまる症状があれば早めにご相談ください。

当院での診療

当院では、日本皮膚科学会 皮膚科専門医が、乾癬の診断と、塗り薬・飲み薬による治療を行っています。紫外線療法や生物学的製剤など、より専門的な治療が必要と判断した場合は、実施している高度医療機関へ速やかにご紹介します。皮膚科の診療日は火曜・木曜・第1/第3土曜です(皮膚科のご案内)。ご予約はWeb予約からどうぞ。

まとめ

乾癬は、うつらない慢性の皮膚の病気で、免疫の乱れによって皮膚の新陳代謝が速くなりすぎることが本態です。塗り薬から生物学的製剤まで治療の選択肢は大きく広がっており、治療への反応には個人差がありますが、「ずっとこのまま」と諦めなくてよい病気になってきています。繰り返す赤い発疹とフケ状の付着物にお悩みの方は、一度ご相談ください。

参考文献

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