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トピックス 予防接種 執筆:医師 斎藤史武

今年度を逃すと自費に。渋谷区で無料で受けられるワクチンの「締切」まとめ

渋谷区には、定期接種や区の助成によって自己負担なし(無料)で受けられるワクチンがあります。その多くは、毎年の年度末(3月31日)や誕生日の前日で無料の期間が終わり、過ぎると原則として自費になります(別の助成を使える場合もあります)。

定期接種や区の助成で無料になるのは、国や渋谷区が「対象の方に受けていただく意義が大きい」と判断し、費用を公費で負担しているワクチンです。つまり、無料で受けられること自体が「ぜひ受けたほうがよい」というすすめの表れです。とくにお子さまの定期接種は、予防接種法で、対象の方が受けるよう努めることとされています。受けるかどうか迷っている方は、診察の際にご相談ください。

2回・3回と接種するワクチンは、締切の直前に1回目を受けても間に合いません。毎年とくに急ぐのは次の2つです。

この記事では、毎年くり返しやってくる締切を、締切の種類ごとにまとめました。年度ごとに変わる対象の生年月日や接種期間は「2026年度(令和8年度)」として示しています。内容は2026年10月25日現在の渋谷区の案内に基づいており、制度が変わったときは更新します。ほかの区にお住まいの方は、お住まいの区の案内をご確認ください。

締切の一覧

無料で受けられる期限ワクチンと対象1回目の目安
年度末(3月31日)HPV(シルガード9):高校1年生相当の女子・男子標準は9月末まで(間隔を詰める場合も11月中旬までがおすすめ)
年度末(3月31日)帯状疱疹(シングリックス):年度末に65歳になる方など1月末まで
年度末(3月31日)麻しん風しん(MR)2期:年長のお子さま1回の接種
区が年度ごとに決める(2026年度は3月31日まで)新型コロナ:65歳以上の方など1回の接種
区が年度ごとに決める(2026年度は1月31日まで)インフルエンザ(注射):65歳以上の方など/生後6か月〜中学3年生12歳までのお子さまは2回のため1月中旬まで
区が年度ごとに決める(2026年度は1月22日まで)フルミスト(鼻にスプレーするインフルエンザワクチン):2歳〜中学3年生1回の接種
66歳の誕生日の前日肺炎球菌(プレベナー20):65歳の方1回の接種
15歳の誕生日の前日HPV:この日までに1回目を受けると、3回でなく2回で完了—

当院は水曜・日曜・祝日と、年末年始(12月30日〜1月3日)が休診です。締切の日が休診日にあたるときは、その前の診療日までに接種してください。2026年度は、当院での接種はインフルエンザが2027年1月30日(土)まで、3月31日が期限のものは2027年3月30日(火)までです。

11月中旬までの開始がおすすめ:高校1年生相当のHPVワクチン

HPVワクチンは、子宮頸がんなどの原因になるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。当院ではシルガード9(9価)を接種しています。

対象:16歳になる年度の末日(3月31日)までの方(小学6年生〜高校1年生相当)。高校1年生相当の方は、その年度が最後です。

2026年度の高校1年生相当は、平成22年4月2日〜平成23年4月1日生まれの方です。

15歳になってから接種を始めると、3回の接種が必要です。高校1年生相当の方は年度のはじめから15歳以上のため、高校1年生になってから始める場合は3回になります。

標準のスケジュール(1回目の2か月後に2回目、6か月後に3回目)で年度内に3回を終えるには、9月末までに1回目を受ける必要があります。10月以降に始めると、標準のスケジュールでは3回目が4月以降になり、その回は自費(1回27,500円)になります。10月以降に始める場合は、間隔を詰めたスケジュールで接種します。

この間隔でも、1回目から3回目まで約4か月かかります。年度内に3回を終えられるよう、年末年始の休診とワクチンの取り寄せの日数を見込んで、当院では11月中旬までに1回目を受けることをおすすめしています。目安は「11月中旬に1回目、12月中旬に2回目、3月中旬に3回目」です。11月中旬を過ぎた場合も、接種できる日程をご相談ください。

くわしくはこどもの予防接種(HPVワクチン・女子)・同(男子)をご覧ください。

1月末までに1回目:帯状疱疹ワクチン(定期接種)

対象:その年度の末日(3月31日)に65歳になる方は、定期接種として無料です。2025年度から2029年度までは経過措置として、年度末に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象です。このほか、60〜64歳で、HIVによる免疫の機能の障がいにより日常生活が極度に制限される方(身体障害者手帳1級相当)も対象です(渋谷区への予診票の申請が必要です)。

2026年度の対象の方の生年月日は次のとおりです。

年度末(2027年3月31日)の年齢生年月日
65歳昭和36年4月2日〜昭和37年4月1日
70歳昭和31年4月2日〜昭和32年4月1日
75歳昭和26年4月2日〜昭和27年4月1日
80歳昭和21年4月2日〜昭和22年4月1日
85歳昭和16年4月2日〜昭和17年4月1日
90歳昭和11年4月2日〜昭和12年4月1日
95歳昭和6年4月2日〜昭和7年4月1日
100歳大正15年4月2日〜昭和2年4月1日

当院では、帯状疱疹ワクチンはシングリックス(不活化ワクチン)をおすすめしています。シングリックスは2回の接種が必要で、2回目も3月31日までに受ける必要があります。2回目は1回目から2か月後が標準のため、1月末までに1回目を受けることを強くおすすめします。通常の接種間隔では、2月以降に1回目を受けると2回目が4月以降になり、その回は定期接種(無料)として受けられません。病気や治療で免疫の働きが低下している方などは接種の間隔が異なる場合がありますので、個別にご相談ください。

2026年度は3月31日(水)が当院の休診日のため、当院で2回目を受ける場合は3月30日(火)まで、1回目は1月30日(土)までになります。

くわしくは帯状疱疹ワクチンのご案内をご覧ください。

3月31日で終わる、そのほかの無料の接種

麻しん風しん(MR)2期:年長のお子さま

小学校入学前の1年間(4月1日〜3月31日)に、定期接種として1回無料で受けられます。2026年度は、令和2年4月2日〜令和3年4月1日生まれのお子さま(2027年4月に小学校へ入学するお子さま)が対象です。

定期接種の期限を過ぎた場合も、2〜18歳で定期接種を受けていない方には、渋谷区が未接種の回数分(最大2回)を全額助成しています。区が発行する予診票が必要で、申請から届くまで7〜10日ほどかかります。期限内の接種を基本に、受けそびれた場合はご相談ください。くわしくはこどもの予防接種(MR)をご覧ください。

新型コロナ(65歳以上の方など)

定期接種として1回無料です。期間は区が年度ごとに決め、2026年度は2026年10月1日(木)〜2027年3月31日(水)です。接種期間中は予約なしでも接種できます。くわしくは新型コロナワクチンのご案内をご覧ください。

冬で終わるもの:インフルエンザ

期間は区が年度ごとに決めます。2026年度は次のとおりです。

12歳までのお子さまで2回接種する場合は、1回目を1月中旬までに受けてください。インフルエンザ(注射)は接種期間中は予約なしでも接種できます。フルミストのご予約はお電話でお願いします(WEB予約の対象外です)。くわしくはインフルエンザワクチンのご案内をご覧ください。

誕生日で締切が来るもの:肺炎球菌(65歳の方)

65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日まで、定期接種として1回無料です。2026年4月から、使うワクチンはプレベナー20(20価)に変わりました。過去に肺炎球菌ワクチンを接種したことがある方は対象になりません。予診票は65歳になる前の月の末に渋谷区から届きます。くわしくは65歳以上の方の予防接種(肺炎球菌)をご覧ください。

2026年度だけの締切

次の3つは、2026年度で終わります。MRの接種期限の延長と風しん第5期は2027年3月31日まで、日本脳炎の特例はそれぞれの方の20歳の誕生日の前日までです。

MRの接種期限の延長

ワクチンの供給不足などで期間内に接種できなかった次の方は、2027年3月31日まで定期接種として受けられます。

期限切れの予診票は使えないため、渋谷区への延長申請が必要です。申請書が区に届いてから発送まで5営業日ほどかかります。

風しん第5期(昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日生まれの男性)

2025年3月末までに受けた抗体検査で風しんの抗体が不十分と分かり、まだ接種していない方は、2027年3月31日まで1回無料で接種できます。期限切れのクーポン券は使えないため、渋谷区への延長申請が必要です。2025年4月以降に抗体検査を受けた方は対象外です。くわしくはおとなの予防接種(風しん)をご覧ください。

日本脳炎の特例(平成7年4月2日〜平成19年4月1日生まれの方)

接種のおすすめが控えられていた時期(平成17〜21年度)に受けられなかった世代は、20歳の誕生日の前日まで、受けていない回数分を定期接種として受けられます。この特例でいちばん若い平成18年4月2日〜平成19年4月1日生まれの方も2027年3月31日までに20歳になるため、この特例で受けられるのは2026年度が最後です。3月31日まで一律に受けられるわけではありませんので、ご自身の誕生日をご確認ください。母子健康手帳で接種の回数もご確認ください。予診票は渋谷区への申請が必要です。くわしくはこどもの予防接種(日本脳炎)をご覧ください。

年度の締切がないもの

次の制度には年度の締切がありません。

当院での接種とご予約

なみきばしクリニックは渋谷区の予防接種実施医療機関で、この記事のワクチンはすべて当院で接種できます。

当院で受けられる予防接種の一覧と料金は、予防接種のページをご覧ください。

よくあるご質問

期限を過ぎたら、もう接種できませんか?

自費であれば接種できます。料金はワクチンの料金表をご覧ください。麻しん風しん(MR)は、2〜18歳で定期接種を受けていない方に渋谷区の全額助成があります(区への申請が必要です)。なお、お子さまの定期接種では、長い病気などでやむを得ず期間内に受けられなかった場合、受けられるようになってから2年間は定期接種として受けられることがあります。渋谷区にご相談ください。

HPVワクチンのキャッチアップ接種は、まだ受けられますか?

キャッチアップ接種は2026年3月31日で終了しました。対象の年齢を過ぎた方も、自費(1回27,500円)で接種できます。

来年度に帯状疱疹の定期接種の対象になります。今のうちに区の助成で受けてもよいですか?

先に接種を終えると、定期接種(無料)の対象になりません。来年度の年度末に65歳になる方(2029年度までは70・75・80歳などになる方も)は、接種の時期をご相談ください。

参考

いずれも2026年10月24〜25日に内容を確認しています。

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