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しもやけ(凍瘡)の原因と治し方——治らない・繰り返すときの受診の目安

執筆:斎藤史武監修:高杉亜里紗 公開日:2026-10-14 最終更新日:2026-10-14

「冬になると足の指が赤く腫れて、夜になるとかゆい」「子どもの手の指が赤紫色に腫れている」──寒くなると出てくるこの症状は、しもやけ(凍瘡:とうそう)かもしれません。しもやけは、寒さと温度差で手足の指先や耳の細い血管に血液が滞り、炎症が起きた状態で、多くは保温と寒さを避ける工夫で1〜3週間ほどで治まります。かゆみや腫れが強いときは塗り薬や飲み薬を使い、暖かくなっても治らないときや繰り返すときは、似た症状の別の病気がないかを確かめます。

このページでは、なみきばしクリニックの皮膚科担当医(日本皮膚科学会 皮膚科専門医)が、しもやけの症状と経過、起こる仕組みとなりやすい人、似た症状の別の病気と受診の目安、皮膚科での治療、家でできる予防とケアをご説明します。ご相談はWeb予約からどうぞ。なお、冬にすねが粉をふいてかゆくなるのは乾燥によるもので、乾燥肌のページにまとめてあります。

Q. しもやけ(凍瘡)とは、どんな症状ですか?

寒さにさらされてから数時間ほどたって、手足の指や耳たぶ、頬などが赤色から赤紫色に腫れ、かゆみや痛み、焼けるようなほてりが出ます。寒さを避ければ1〜3週間ほどで治まるのが一般的です。

しもやけが出やすいのは、体の先端で冷えやすい場所です。手足の指に最も多く、耳たぶや頬にもみられます。すねや太ももなど、日常的に冷えにさらされる場所に出ることもあります。

見た目は、むくんだような腫れを伴う赤みが基本です。押すと赤みが一時的に薄くなります。症状の出方には個人差があり、かゆみが強い方もいれば、ジンジンとした痛みや焼けるような感じが主な方もいます。肌の色が濃い方では、赤みが分かりにくくなります。

症状が強いときは、水ぶくれ(水疱:すいほう)や皮膚のただれ、えぐれた傷(潰瘍:かいよう)を伴います。赤い盛り上がりがいくつも散らばる形で出る方もいて、多形紅斑(たけいこうはん:的のような形の赤い発疹が多発する病気)に似て見えます。

寒さにさらされ続けると、治りきる前に新しいものが出て、冬のあいだ長引くことがあります。体質によっては、毎年同じ季節に繰り返します。

Q. しもやけはなぜ起こるのですか?

寒さで手足の先の細い血管が縮み、血流が滞ることが出発点です。冷えたあとに温まるとき、皮膚の表面に近い血管は広がる一方で深い血管は縮んだままになり、このずれから血液がたまって炎症が起き、腫れやかゆみが出ると考えられています。

しもやけは、皮膚が凍るほどの寒さでなくても起こります。皮膚の組織が凍ってしまう凍傷とは別のもので、冷えに繰り返しさらされることが原因になります。詳しい仕組みには、まだ分かっていない部分もあります。

温度差も関わります。冷えきった手足をストーブにかざしたり、熱いお湯につけたりして急に温めると、血流のずれが大きくなり、症状が出やすくなります。

出やすい時期にも特徴があります。厳しい真冬よりも、冬の初めや春先に出やすく、比較的暖かい地域でも起こります。気温だけで決まるわけではなく、汗で手足が湿っていることや、生まれつきの体質も関係します。

Q. しもやけになりやすいのは、どんな人ですか?

子どもから大人まで起こります。国内の教科書では学童に多いとされ、女性や手足が冷えやすい方にもみられます。やせ型の方、たばこを吸う方、家族にしもやけができやすい人がいる方も起こしやすいとされています。

しもやけを起こしやすい条件として、次のようなものが挙げられます。

一方で、高齢になって初めて出た場合や、これまでと異なる出方をする場合は、背景にほかの病気がないかを確認することがあります。次の節の目安とあわせて受診をご検討ください。

Q. しもやけだと思っていたら、別の病気が隠れていることはありますか?

あります。しもやけによく似た発疹が、膠原病(こうげんびょう:免疫の異常で皮膚や関節、内臓などに炎症が起こる病気の総称)の皮膚症状として出ることがあります。暖かくなっても治らない、寒くない季節にも出る、指の色が白や紫に変わる、といった場合は、しもやけと決めつけずに皮膚科でご相談ください。

多くは体質や環境によるしもやけですが、見分けが必要な病気として次のようなものがあります。

次のような場合は、しもやけと決めつけずに受診してください。

見た目だけで区別が難しいときは、問診で皮膚以外の症状を伺い、血液検査や、皮膚の一部を採って顕微鏡で調べる検査(皮膚生検)を検討します。当院では皮膚生検を行っていないため、必要な場合は連携する医療機関へご紹介します。

Q. 皮膚科では、どんな治療をしますか?

治療の土台は、寒さと湿り気を避けて保温することです。症状に応じて、国内でしもやけに使われている塗り薬や飲み薬を検討します。赤みやかゆみを和らげる目的で、ステロイドの塗り薬を短期間使うこともあります。

薬は保温と組み合わせて使うものです。寒さにさらされ続けたままでは、薬を使っても新しいしもやけが次々に出てしまいます。

塗り薬

飲み薬

塗り薬・飲み薬とも、持病や妊娠の有無、ほかに使っている薬によって選べないものがあります。診察の際にお知らせください。薬の効果を確かめ、改善が乏しい場合は診断や治療を見直します。

水ぶくれやただれができたときは、潰したり掻き壊したりしないでください。傷から細菌が入ると治りが遅くなります。清潔に保ち、早めに受診してください。

Q. 家でできる予防とケアはありますか?

手足と耳を冷やさないこと、濡れたままにしないこと、冷えたあとに急に温めないことが基本です。

冬は手の乾燥やあかぎれも重なりやすい時期です。手の荒れが治らないときは手湿疹のページもご覧ください。

よくあるご相談

例えば、次のようなケースがあります。

「小学生の子どもの足の指が、毎年冬になると赤紫色に腫れて、お風呂のあとや布団に入るとかゆがる」というご相談です。問診では、いつから、どの指に出るか、登下校や外遊びのあとに靴下が濡れたままになっていないか、指の色が白く変わる発作がないか、関節の痛みなど皮膚以外の症状がないかを伺います。足の指先に赤紫色の腫れがあり、ほかの症状がなければ、しもやけと考えます。お伝えするのは、濡れた靴下をすぐに替えること、冷えた足をストーブで急に温めないことの2点です。かゆみと腫れが強い場合は塗り薬を検討し、暖かくなっても治らない場合は再受診を勧めます。

当院での診療

当院の皮膚科は、日本皮膚科学会 皮膚科専門医の女性医師が担当しています。しもやけかどうかの見きわめと、塗り薬・飲み薬の選び方、家での保温の工夫を一緒に決めます。暖かくなっても治らない、繰り返すといった場合は、皮膚以外の症状も伺ったうえで必要に応じて血液検査を行い、詳しい検査が必要なときは連携する医療機関へご紹介します。

指の色が変わる発作は、診察のときには治まっていることが多い症状です。色が変わったときの手足をスマートフォンで撮っておくと、診察の参考になります。

お子さまのしもやけは小児皮膚科で診療しています(小児皮膚科のご案内)。皮膚科の診療日は火曜(午前のみ)・木曜・第1/第3土曜です(皮膚科のご案内)。ご予約はWeb予約からどうぞ。

まとめ

参考文献

よくある質問

しもやけと凍傷は違うものですか?

違います。しもやけ(凍瘡)は、皮膚が凍るほどではない寒さに繰り返しさらされて、手足の指や耳の細い血管に血液が滞り、炎症が起きたものです。凍傷は、強い寒さで皮膚の組織そのものが凍ってしまう状態で、皮膚が白っぽくなったあと赤紫色に変わり、感覚が鈍くなります。冬山などで強い寒さにさらされたあと、指先の感覚が戻らない、皮膚が白っぽいまま・硬くなっている、水ぶくれがある場合は、凍傷の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。体の震えが止まらない、意識がぼんやりするなどの症状もあれば、救急車を呼んでください。

お風呂やこたつで温まると、しもやけがかゆくなるのはなぜですか?

冷えて縮んだ血管が、温まるときにそろって元に戻らないためと考えられています。皮膚の表面に近い血管は広がる一方で、深いところの血管は縮んだままになり、このずれがかゆみや痛み、色の変化を起こします。冷えた手足はストーブにかざしたり熱いお湯につけたりせず、室温で少しずつ温めてください。かゆくても掻くと皮膚が傷つきやすいため、かゆみが強いときは、塗り薬の使用をご相談ください。

しもやけは市販薬で様子を見てもよいですか?

軽いしもやけは、保温して寒さを避ければ1〜3週間ほどで治まることが多く、薬局で相談して市販の塗り薬を使う方法もあります。ただし、2〜3週間たっても良くならない、水ぶくれやただれができた、膿が出る、暖かくなっても治らない、毎年繰り返す、指の色が白や紫に変わる発作がある、といった場合は皮膚科を受診してください。糖尿病のある方は傷が治りにくいため、早めの受診をお勧めします。

しもやけは毎年繰り返しますか?予防はいつから始めればよいですか?

体質や生活環境によって、毎年同じ時期に繰り返す方がいます。しもやけは真冬よりも冬の初めや春先に出やすいため、寒くなり始める時期から手袋や厚手の靴下で保温し、汗や雪で濡れた手袋・靴下はすぐに替える習慣をつけておくと予防になります。毎年繰り返す場合や年々ひどくなる場合は、ほかの病気が隠れていないかを確かめるため、一度皮膚科でご相談ください。

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